かかしです。

 

 

 

 

 

これは僕が大学生だったころの話です。

 

薄毛の恐怖を押し殺し床屋へ

 

人生初の美容院に挑戦し、

美容師さんに薄毛を小バカにされる

という苦い経験をして、1、2か月がたったころ。

 

→ その時の記事はこちら

 

そろそろ髪の毛を切りにいかなければだめだなーと感じていました。

 

自分にはオシャレな店はやっぱりハードルが高かったのでは?と思い直し、

落ち着いた感じの床屋さんを探すことにしました。

 

グーグルマップで床屋と検索し、近くにあった床屋の情報を調べて

料金と営業時間を確認し、電話で予約を行いました。

 

実家のような安心感、近所の床屋に初来店・・・

 

そして、予約した日の当日になり、

はじめて行くその床屋に入ると

先々月に美容院に行ったからでしょうか、

「なんか狭いなぁー」と感じてしまいました。

 

美容院と異なり、置いてあるのは髪型や

ファッションの雑誌はほとんどなく、

 

実家に散らばっていたような読み慣れた

ジャンプやマガジン、90年代、80年代の漫画がたくさんありました。

 

そんな漫画に目を奪われている間に

髪の毛が薄い感じの店主がきて、

 

「はい、予約を入れたかかしさんですか?そこ座ってください」

 

とぶっきらぼうな感じで椅子に案内されました。

 

物わかりの良い薄毛店主との気楽なコミュニケーション

 

 

 

 

 

 

 

「今日は、どれくらい切りますか?」

店主さんが聞いてきました。

 

コミュ障の僕は「少し、さっぱりするくらいで」

よく分からない曖昧な返事を返しました。

 

店主さんは

「あーっ、かりあげないくらいで短めにそろえる感じですね」

 

と良く慣れた感じの返しをくれました。

 

僕は「あー、それで!」と頑張って

しゃべる必要のないことに少しの心地よさを感じました。

 

「それじゃあ、さっそく切っていきますね」

店主さんはいきなりハサミを取り出し切り始めました。

 

そこから風向きが変わり始めました。

 

髪の毛に感じる危機感で空気は一転!!

 

店主さんはすごい勢いで僕の髪を切ってくれていたのですが、

所々で感じるのは髪の毛を引っ張る痛みでした。

 

初めに感じた時は

「1回ぐらい失敗することもあるから気にしないでおこう」

と思っていたのですが、

 

どうやらその床屋ではこのくらいの

引っ張りは常らしく何度も繰り返されました。

 

さすがに僕も

 

「やばい!この痛みは髪の毛何本か持ってかれてんじゃないか?」

「散髪終わるころにハゲになってたらどうしよう」

 

と不安な妄想が走りました。

 

しかし文句をいう勇気もなく、いつの間にかカットが終わりました。

カットが終わると続いての苦難が襲ってきました。

 

地獄はさらにつづき、髪の毛根絶やしの恐怖に耐える散髪時間・・・

 

「それじゃあ、切った髪の毛飛ばしていきますねー」

とドライヤーを取り出す店主さん。

 

「熱くないですかー」と優しい声とは

裏腹に激しく僕の髪の毛をワシャワシャしてきます。

 

「大丈夫です・・・」と答えた僕の内面では

 

「こんなにこすったら、貴重な産毛が根こそぎ持っていかれる!!」

と恐怖を抱いていました。

 

そして、間髪入れずに今度は、

 

「それでは頭皮マッサージしちゃいますねー」と店主さん。

 

「ふーっ、ふーっ、いたくないですかー」吐息まじりに

力ずよく手の平ではさんだ僕の頭では、

 

「やばい、こんなにグリグリされたら

 毛がねじり取られる!!あと、その吐息はいやー!!!」

 

と悲鳴を上げていました。

 

歴戦の薄毛戦士のひとことに心をえぐられる・・・

 

はい!じゃあこれで終わりです。」の一言で、

そんな長かったような短かったような

散髪の時間からは解放されました。

 

鏡で切った髪の毛を見せられ、

 

お客さん髪のだと、長い髪の毛があると、

どうしても地肌が目立っちゃうから頭頂部あたりを短めにしたよ

 

と店主さんの薄毛と同様に

一切包み隠さない様子で伝えられました。

 

僕は言葉では

「そうですかー、ありがとうございます。」

といいつつ心で泣きました。

 

お金を支払い変える時にも店主さんは優しく

 

「薄毛のことだったら、何でも相談してね!

 おじさん薄毛歴は長い方だから!!」と言ってもらえました。

 

見事に薄毛認定をうけた僕は

「次はどこで髪の毛切りに行こうかなー」

と考えながら店を出ました。

 

そして、このおじさんに薄毛相談をする日は

二度と訪れませんでした。

 

トレンディデビル@かかし